01-16-1. 写真でお店の魅力を伝えよう!飲食店のInstagram登録&活用スタートガイド【初心者向け】

前回の記事では、インバウンド集客の入り口となるGoogleマップ(Googleビジネスプロフィール)の登録方法についてご説明しました。お店の場所や基本情報を正確に伝えることは、お客様に見つけてもらうために非常に重要です。

しかし、お客様が「このお店に行ってみたい!」と強く思うかどうかは、見た目の情報に大きく左右されます。特に、美味しい料理やお店の雰囲気、楽しそうな様子など、視覚的な魅力は、言葉以上に人々の心に響きます。

そこで活躍するのが「Instagram」です。Instagramは写真や動画がメインのSNSで、世界中の人々が興味のあることや行きたい場所を探すのに活用しています。インバウンド観光客も例外ではありません。彼らはInstagramで「#TokyoFood」や「#KyotoRestaurant」のように検索したり、美味しそうな料理の写真や動画を見て、次に行くお店を決めているのです。

「でも、SNSって難しそう…」「若い人が使うものでしょ?」と感じる方もいらっしゃるかもしれません。大丈夫です。Instagramは、スマートフォンさえあれば誰でも簡単に始められますし、飲食店にとってこれほど強力な集客ツールは他にありません。

この記事では、あなたの飲食店のInstagramアカウントを登録し、ビジネスに役立つ設定をする方法を、初心者の方にも迷わず進められるように、一から丁寧にご説明していきます。さらに、前回登録したGoogleマップとの連携方法もお伝えします。

さあ、あなたの飲食店の「おいしい!」を、写真と動画で世界に届けましょう!

なぜ飲食店にInstagramが有効なのか?

飲食店がInstagramを活用することには、様々なメリットがあります。

  1. 視覚的に魅力を伝えられる: 美味しそうな料理の写真や動画で、お客様の食欲を刺激し、「食べたい!」という気持ちを強く引き出せます。
  2. お店の雰囲気を伝えられる: 店内のインテリア、スタッフの様子、お客様の楽しそうな顔など、お店の雰囲気やコンセプトを効果的に伝えられます。
  3. インバウンド観光客との相性が抜群: 言語の壁を越えて、写真や動画で直感的に魅力を伝えられます。ハッシュタグを活用すれば、海外からの検索にも引っかかりやすくなります。
  4. 特に若い世代やトレンドに敏感な層にリーチできる: Instagramは若年層を中心に広く利用されており、流行に敏感なインバウンド観光客へのアプローチに効果的です。
  5. お客様が宣伝してくれる(UGC): お客様がお店で撮った写真をInstagramに投稿してくれることで、お店の存在が自然な形で広まっていきます(UGC = User Generated Content)。

Instagramは、あなたの飲食店の魅力を効果的に世界に発信するための強力なツールなのです。

Instagramアカウント登録に必要なもの

Instagramのアカウントを作成するには、主に以下のものが必要です。

  • スマートフォン: iPhoneでもAndroidでも構いません。アプリストアからInstagramアプリをダウンロードして使用します。
  • 電話番号、またはメールアドレス: アカウント作成時の認証に使います。

これらが準備できたら、さっそく登録を始めましょう。

ステップごとの詳細なInstagramアカウント登録手順

ここから、スマートフォンを使ったInstagramのアカウント登録手順を、ステップごとにご説明します。

ステップ1:Instagramアプリをダウンロードする

まずはお手持ちのスマートフォンにInstagramアプリをインストールします。 iPhoneの場合は「App Store」を、Androidの場合は「Google Playストア」を開いてください。 検索画面で「Instagram」と入力して検索します。 表示されたInstagramアプリのアイコン(カラフルな四角いカメラのアイコン)をタップし、「入手」または「インストール」ボタンをタップしてダウンロード&インストールします。インストールには少し時間がかかる場合があります。

ステップ2:新しいアカウントを作成する

インストールが完了したら、Instagramアプリを起動します。

  • アプリを開くと、ログイン画面が表示されます。初めて利用する場合は、画面下部にある「新しいアカウントを作成」または「アカウント登録」といったボタンをタップしてください。
  • アカウント作成に使用する情報を選択します。「電話番号またはメールアドレスで登録」といった選択肢が表示されるはずです。通常はどちらか一方で登録できます。
  • どちらかを選択し、画面の指示に従って電話番号またはメールアドレスを入力します。入力した情報宛にInstagramから確認コードが送られてくるので、そのコードをアプリの画面に入力して認証を完了させます。
  • 次に、あなたの名前(これは本名である必要はありません)とパスワードを設定します。パスワードはセキュリティのため、他のサービスとは異なる複雑なものを設定することをおすすめします。お店のアカウントなので、名前の欄には一旦あなた(経営者)の名前などを入れておき、後でプロフィールをお店の名前に変更することもできます。

ステップ3:ユーザーネームとお店の名前、プロフィール写真を設定する

アカウント作成の途中、あるいは後からプロフィールの設定ができます。画面下部にある人型のアイコン(または初期状態では丸い人型のアイコン)をタップするとあなたのプロフィール画面が表示されます。画面に表示される「プロフィールを編集」ボタンをタップして進みます。

  • ユーザーネーム: これがあなたのInstagramアカウントのIDになります。@〇〇 の形で表示されるもので、他のユーザーがあなたのお店のアカウントを探したり、投稿にあなたのお店をタグ付けしたりする際に使われます。後から変更も可能ですが、お店の認知度に関わるため、基本的には変更しない方が良いでしょう。お店の名前や、お店の業種と地域を組み合わせた、分かりやすく覚えやすいユーザーネームを設定しましょう(例:@sushi_restaurant_tokyo, @ramen_ya_osaka)。既に他のユーザーが使っているユーザーネームは設定できません。利用可能なユーザーネームを入力すると、緑色のチェックマークなどが表示されます。
  • 名前: これはInstagram上であなたのプロフィールページや投稿などに表示される名前です。ユーザーネームとは異なり、他のユーザーと同じ名前でも設定可能です。検索対象にもなる重要な項目です。お店の正式名称や、お店の料理ジャンルと名前を組み合わせたもの(例:〇〇寿司 / Sushi Restaurant 〇〇、本格カレー〇〇 / Authentic Curry 〇〇)にすると、お客様が検索する際にあなたの飲食店を見つけやすくなります。
  • プロフィール写真: あなたのアカウントのアイコンとして表示される、お店の「顔」となる画像です。プロフィール編集画面にある丸いアイコン部分(または「写真を変更」といったボタン)をタップして設定できます。お店のロゴ、看板料理の写真、お店の外観写真など、一目で何のお店か分かりやすい、魅力的で記憶に残りやすい写真を選びましょう。丸いアイコンで表示されるため、写真の中心に重要な要素が来るように調整すると良いでしょう。

これらの設定項目を入力・選択したら、画面右上の「完了」またはチェックマークなどをタップして設定を保存します。

ステップ4:ビジネスに役立つ「プロアカウント」に切り替える

作成したばかりのInstagramアカウントは、通常「パーソナルアカウント」という個人向けの設定になっています。飲食店の集客に活用するためには、ビジネスに便利な機能が使える「プロアカウント」に切り替えるのがおすすめです。プロアカウントにすると、あなたの投稿がどれだけの人に見られたか、どんな人があなたのアカウントを見に来ているか(年齢層、性別、地域など)といった、ビジネスの改善に役立つ分析データ(インサイト)が見られるようになります。

  • あなたのプロフィール画面を開き、画面右上の三本線(メニューアイコン)をタップします。
  • 表示されたメニューリストの中から、「設定とプライバシー」(または古いバージョンの場合は「設定」)をタップします。
  • 「設定とプライバシー」のメニューの中から、「アカウントの種類とツール」といった項目を探してタップします。
  • 「アカウントの種類とツール」の画面に表示される「プロアカウントに切り替える」をタップします。
  • 次に、「ビジネス」か「クリエイター」かを選択する画面になります。飲食店のビジネス利用の場合は、通常「ビジネス」を選択するのが適切です。どちらかを選んで「次へ」をタップします。
  • ビジネスのカテゴリーを選択する画面になるので、「レストラン」「カフェ」「食品店」「日本料理店」など、あなたのお店に最も近いカテゴリーを選んでください。ここで選択したカテゴリーは、プロフィールに表示させることも、非表示にすることも選べます。
  • 連絡先情報の確認や設定などを経て、画面の指示に従って進めば、プロアカウントへの切り替えは完了です。

プロアカウントに切り替わると、プロフィール画面に「インサイトを見る」といったボタンが表示されるようになります。

ステップ5:プロフィール情報を充実させる

プロアカウントへの切り替え後、またはプロフィール編集画面から、あなたの飲食店のプロフィール情報をさらに充実させましょう。ここはお客様があなたのアカウントを訪れた際に、まず目にする重要な情報です。

  • ウェブサイト: プロフィール編集画面に「ウェブサイト」の入力欄があります。ここに、あなたのお店の公式サイトや、前回の記事で登録したGoogleビジネスプロフィールのページのURLを掲載しましょう。お客様があなたのInstagramを見て興味を持った際に、詳しい情報や予約ページにすぐにアクセスできるようにしておくことが重要です。
  • 自己紹介(Bio): プロフィール編集画面に「自己紹介」(または「自己紹介文」)の入力欄があります。ここは最大150文字以内の短い文章で、あなたのお店がどんなお店なのか、最大のアピールポイントは何なのかを記載する、Instagramで最も重要なテキスト情報の一つです。 インバウンド観光客向けには、英語での記載は必須と考えましょう。お店のコンセプト(例:Authentic Japanese Ramen in Tokyo)、提供している料理の種類(例:Freshly made Sushi & Sashimi)、お店の雰囲気(例:Cozy & Local Izakaya experience)、予約方法などを簡潔に、魅力的に記載しましょう。絵文字(🍜🍣🏮🥢🍺など)を効果的に使うと、言語の壁を越えてお店の雰囲気を視覚的に伝えることができます。
  • 連絡先オプション: プロアカウントの場合、プロフィールにメールアドレス、電話番号、お店の所在地などを表示させることができます。お客様が連絡を取りやすくなるよう、適切な情報を設定しておきましょう。前回の記事で設定したGoogleビジネスプロフィールと同じ情報を設定しておくと、お客様は安心して様々な方法で連絡できます。

これらの情報を丁寧に入力し、設定を保存すれば、あなたの飲食店のInstagramビジネスアカウントの基本設定は完了です!いよいよ、写真や動画の投稿を始める準備が整いました。

登録後の最初のステップ

Instagramアカウントの基本設定が完了したら、すぐに以下のことを始めてみましょう。

  • 最初の投稿をしてみる: 美味しそうな料理の写真など、一番伝えたいお店の魅力を表す写真を投稿してみましょう。簡単な紹介文(キャプション)を添えて。まずは「投稿してみる」ことに慣れるのが大切です。
  • 関連するアカウントをフォローしてみる: 同じ地域の飲食店や、観光関連のアカウント、海外の旅行関連アカウントなどをフォローしてみましょう。他のアカウントの投稿を見ることで、どんな写真や動画が人気なのか、どんなハッシュタグが使われているのかなど、多くのヒントを得られます。
  • プロフィール情報を定期的に見直す: 設定したユーザーネーム、名前、自己紹介などが、お店の魅力を正しく伝えているか、お客様にとって分かりやすいかを定期的に見直しましょう。

登録で困ったときのヒント

Instagramの登録や設定で分からないこと、困ったことがあれば、Instagramの公式ヘルプページを参照してみましょう。アプリ内の「設定とプライバシー」のメニューの中に「ヘルプ」の項目があります。また、ウェブブラウザで「Instagram ヘルプセンター」と検索しても公式のサポートページが見つかります。登録方法やよくある質問、トラブルシューティングの情報などが掲載されています。

GoogleマップとInstagramを連携しよう!

さて、Googleマップ(Googleビジネスプロフィール)とInstagram、それぞれの登録が完了したら、これらの二つのツールを連携させることが非常に重要です。なぜなら、お客様はGoogleマップで場所や基本情報を確認し、Instagramで雰囲気や写真を見て「行きたい!」という気持ちを高める、というように、二つのツールを行き来しながらお店を選ぶことが多いからです。スムーズに行き来できるように道筋を作ってあげましょう。

連携方法:

  1. GoogleビジネスプロフィールにInstagramアカウントのリンクを掲載: 前回の記事で登録したGoogleビジネスプロフィールの管理画面を開きます。「プロフィールの編集」や「情報」といった項目を探してください。お店のウェブサイトのURLを入力する欄があるはずです。ここに、今回作成したあなたのInstagramアカウントのURL(例:https://www.instagram.com/your_restaurant_name/ ご自身のユーザーネームに置き換えてください)を掲載しましょう。また、「ビジネスの説明」欄にも、「Instagramもぜひご覧ください!」といったメッセージと共にInstagramのユーザーネームなどを記載しておくと、お客様がInstagramで検索しやすくなります。
  2. InstagramプロフィールにGoogleマップ(お店の場所)のリンクを掲載: 今回作成したInstagramアカウントのプロフィール編集画面を開きます。ウェブサイトの入力欄があるはずです。ここに、あなたの飲食店のGoogleマップ上のページのURLを掲載しましょう。Googleマップであなたのお店の名前を検索して表示されるページ(お店の情報が表示されているページ)のURLをコピーして貼り付けます。また、自己紹介(Bio)の欄にも、お店の簡単な紹介に加えて、地域名と共に「Find us on Google Maps!」といった英語での簡単な案内を付け加えると、お店の場所を探しているお客様に親切です。

このように互いのツールにリンクを貼ることで、お客様はGoogleマップからInstagramへ、InstagramからGoogleマップへと、迷うことなく情報を行き来できるようになり、あなたのお店への興味や来店意欲を効果的に高めることができます。

まとめ:Instagramで「おいしい!」を世界へ発信!

あなたの飲食店のInstagramアカウント登録、本当にお疲れ様でした!これで、写真や動画を通じてお店の魅力を世界に発信する準備が整いました。

Instagramは、日々新しい投稿を続けたり、お客様とのコミュニケーションを取ったりと、継続的な運用が重要です。しかし、最初から完璧を目指す必要はありません。まずは美味しそうな料理の写真を撮って投稿するところから始めてみましょう。

InstagramとGoogleマップを連携させることで、オンライン上でのあなたのお店の存在感は格段に高まります。世界中のインバウンド観光客に、あなたの飲食店の素晴らしい料理や雰囲気を知ってもらい、実際に足を運んでもらうための強力な武器を、あなたは手に入れました。

さあ、スマートフォンのカメラを手に取って、あなたの飲食店の「おいしい!」を世界に発信しましょう!きっと、たくさんの「いいね!」や、素晴らしいお客様との出会いが待っているはずです。