03-3. インバウンド集客の超基本!飲食店のためのGoogleマップ登録・設定 完全ガイドと成功事例

前回の記事で、インバウンド観光客はGoogleマップで飲食店を探すことが多いというお話をしました。では、具体的にあなたの飲食店をGoogleマップ上で魅力的に表示させ、海外からの旅行者に見つけてもらうためには、どうすれば良いのでしょうか?

ここでは、Google Business Profile (GBP) を活用するための具体的なステップを、初心者の方でも分かりやすいように手順を追ってご説明します。

Google Business Profile (旧 Googleマイビジネス) 登録・設定のステップ

GBPは、Google検索やGoogleマップ上に表示されるあなたのビジネス情報(営業時間、住所、写真、レビューなど)を管理できる無料のツールです。インバウンド対策においては、これをいかに充実させるかが非常に重要になります。

ステップ 1:Googleアカウントの準備とGBPへのアクセス

  • まず、Googleアカウント(Gmailアドレスなど)が必要です。お持ちでない場合は作成してください。
  • Google Business Profileのウェブサイトにアクセスします。「Google Business Profile」で検索するか、以下の一般的なURL(GoogleのサービスURLは変更される可能性があります)からアクセスできます。
    • (検索結果から表示される公式サイトをご利用ください)

ステップ 2:あなたのビジネス(飲食店)を登録・検索

  • GBPのページにアクセスしたら、「ビジネスを追加」または「今すぐ開始」といったボタンをクリックします。
  • 検索窓にあなたの飲食店の名前を入力してみます。
    • もし既にGoogleマップ上に情報が表示される場合(誰かが情報を追加している可能性があります)は、表示されたあなたのビジネスを選択し、「このビジネスのオーナーですか?」といったリンクをクリックしてオーナー権限を獲得する手続きに進みます。
    • 表示されない場合は、「ビジネス情報を追加」を選んで、店舗名を入力します。

ステップ 3:ビジネス情報の入力(基本中の基本!)

  • 画面の指示に従って、あなたの飲食店の基本的な情報を入力していきます。
    • ビジネス名: 正式な店舗名を入力します。
    • ビジネスカテゴリ: 最も当てはまるカテゴリ(例: 寿司店, ラーメン店, 居酒屋, Cafeなど)を選択します。これがGoogleマップで検索されたときに表示される情報の核となります。複数選択も可能です。
    • 所在地: 正確な住所を入力します。ここが間違っていると、お客様がお店にたどり着けません!
    • サービス地域: サービスを提供している地域を設定します(店舗型ビジネスの場合は通常不要、または店舗から提供できる範囲を設定)。
    • 連絡先: 電話番号と、もしあればウェブサイトのURLを入力します。

ステップ 4:オーナー確認を行う【最も重要!】

  • 入力したビジネス情報があなたのもの(あなたがオーナーまたは正規の担当者)であることをGoogleに証明する手続きです。これが完了しないと、ほとんどの機能を管理できません。
  • 主な確認方法には以下のものがあります。
    • ハガキ郵送: Googleから住所に確認コードが記載されたハガキが郵送されます。受け取ったコードをGBP管理画面で入力します。(最も一般的な方法)
    • 電話またはSMS: 登録した電話番号にコードが送信される場合があります。(一部のビジネスのみ)
    • メール: 登録したメールアドレスにコードが送信される場合があります。(一部のビジネスのみ)
  • 画面の指示に従い、確認方法を選択して手続きを進めてください。ハガキの場合、到着まで数日から数週間かかることがあります。

ステップ 5:プロフィール情報の充実(インバウンド対策の鍵!)

  • オーナー確認が完了したら、GBP管理画面で詳細な情報を入力し、プロフィールを充実させましょう。ここからがインバウンド対策として特に力を入れるべき部分です。
    • 営業時間: 通常の営業時間だけでなく、祝日や特別な日の営業時間も正確に入力します。
    • 電話番号・ウェブサイト: 正確な情報を再確認します。ウェブサイトは多言語対応しているものが望ましいです。
    • 属性: ここがインバウンド対策で非常に重要です!
      • 「提供サービス」や「設備」などの項目で、外国人旅行者が気にする点を設定します。
      • 例:「無料Wi-Fiあり」「多言語メニューあり」「クレジットカード利用可」「〇〇語を話せるスタッフがいる」「バリアフリー対応」「個室あり」など。該当するものにチェックを入れましょう。
    • ビジネスの説明: あなたの飲食店がどのようなお店なのか、料理のこだわり、お店の雰囲気などを簡潔に説明します。ここも多言語で記載すると、より多くの旅行者にアピールできます。(日本語で入力後、Googleが自動翻訳することもありますが、ご自身で主要言語を追記するのも有効です)

ステップ 6:写真と動画の追加【視覚で魅せる!】

  • GoogleマップやGoogle検索であなたの飲食店が表示されたとき、最も目につくのが写真です。高品質な写真を追加することが、来店意欲を大きく左右します。
  • 具体的にすること:
    • ロゴ、カバー写真: あなたのお店を代表する写真やロゴを設定します。
    • 料理写真: 美味しそうな看板メニューや人気メニューの写真を複数追加します。シズル感のある写真が効果的です。
    • 内観・外観写真: お店の雰囲気や入り口が分かりやすい写真を掲載します。
    • 動画: 店内の様子や調理風景、お店の雰囲気などを伝える短い動画も追加できます。
    • インバウンド向け: 多言語メニューのサンプルや、スタッフが笑顔で迎えている写真なども親切です。

ステップ 7:最新情報の投稿機能を活用【タイムリーな情報発信】

  • GBPにはブログのように情報を投稿できる機能があります。これにより、Google検索やマップであなたの飲食店を見たユーザーに、最新の情報を効果的に伝えることができます。
  • 具体的にすること:
    • 期間限定メニュー、その日の特別な仕入れ、イベント告知、休業日のお知らせなどを投稿します。
    • 写真や動画を添えると、より多くの人の目に留まります。
    • 投稿内容も多言語(日本語+英語など)で記載すると、インバウンド旅行者への情報提供に繋がります。

ステップ 8:Q&A機能で質問に回答【疑問を解消】

  • ユーザーがあなたの飲食店に対して直接質問できる機能です。
  • 具体的にすること:
    • お客様からの質問には、できるだけ早く丁寧に回答します。多言語での質問には、翻訳ツールも活用しながら誠実に対応します。
    • よくある質問(例: ベジタリアンメニューはありますか?、予約は必要ですか?など)と回答をあらかじめ自分で投稿しておくことも可能です。

ステップ 9:お客様からのレビューに返信【信頼関係の構築】

  • Googleマップのレビューは、他のユーザーにとって非常に参考になる情報源です。ポジティブなレビューもネガティブなレビューも、真摯に返信することが重要です。
  • 具体的にすること:
    • レビューが投稿されたら、内容を確認します。
    • 良いレビューには感謝の言葉を伝えます。
    • 改善点や不満に関するレビューには、真摯に受け止め、改善に努める旨を丁寧に返信します。(感情的にならず、冷静に対応することが大切です)
    • 海外からのレビューには、多言語(英語など)で返信することで、他の海外の旅行者にも良い印象を与えられます。翻訳ツールを使いながらでも良いので、必ず返信しましょう。

これで、Google Business Profileの基本的な設定と活用は完了です!

もちろん、これで終わりではありません。情報は常に最新に保ち、お客様からのレビューや質問に継続的に対応していくことが、GBPをインバウンド集客に効果的に活用するための鍵となります。この一歩を踏み出したあなたは、インバウンド観光客に見つけてもらうための大きなアドバンテージを得たと言えるでしょう。

6.成功事例:Googleマップ活用でインバウンド客が増加した飲食店(仮称)

ここでは、Google Business Profileを積極的に活用し、インバウンド集客に成功した飲食店の事例をご紹介します。(※具体的な企業名ではなく、取り組み内容と効果に焦点を当てて記述します。)

事例:東京都内にある老舗の天ぷら店「銀座てんぷら 旬彩」(仮称)

この天ぷら店は、創業から数十年続く伝統的なお店でしたが、ウェブサイトは日本語のみで、外国人観光客からの認知度は限定的でした。「日本の食文化」を体験したいという海外からの旅行者が増えている状況を見て、Google Business Profile (GBP) の活用を強化することを決めました。

取り組んだこと:

  1. GBP情報の徹底的な充実:
    • 正確な営業時間、定休日、電話番号、ウェブサイトURLを登録。
    • ビジネスカテゴリを「天ぷら店」「和食店」と正確に設定。
    • 「属性」を最大限に活用。「無料Wi-Fiあり」「多言語メニューあり(英語、中国語)」「クレジットカード利用可」「カウンター席あり」「英語を話せるスタッフがいる日がある」といった項目にチェックを入れ、外国人旅行者が求める情報を分かりやすく表示しました。
  2. 高品質な写真と動画の追加:
    • 揚げたての天ぷらのシズル感が伝わる写真、カウンター席から見える職人の調理風景の動画、落ち着いた店内の雰囲気の写真を大量に追加しました。
    • 特に、天ぷらの衣の質感や、旬の食材の色鮮やかさが伝わるよう、ライティングやアングルにこだわりました。
  3. 最新情報の積極的な投稿:
    • 毎日、その日の特別な仕入れや、ランチ限定メニューなどを写真付きで投稿しました。投稿文には日本語と英語を併記。
  4. レビューへの真摯な対応:
    • 国内外からのレビューに全て目を通し、特に海外からのレビューには、翻訳ツールも活用しながら英語で丁寧に返信しました。感謝の言葉とともに、「またのご来店をお待ちしております」といったメッセージを添えました。ネガティブなレビューにも、改善に努める旨を誠実に伝えました。

結果:

これらのGBP活用を強化した結果、Googleマップでの検索表示回数と、プロフィール閲覧数が飛躍的に増加しました。特に「天ぷら店 銀座」といったキーワードで検索した外国人ユーザーからのアクセスが増えました。

GBP経由での電話問い合わせやウェブサイトへのアクセスが増え、直接の予約や来店客数が増加。特に、GBPのレビュー評価が高いことや、写真が魅力的であることから、「Googleマップで見つけて来た」という海外からの旅行者が目に見えて増えました。

お客様が投稿した写真やレビューも増え、それがさらに新しいお客様を呼び込むという好循環が生まれました。

この事例から学ぶこと:

「銀座てんぷら 旬彩」の事例は、特別な広告費をかけることなく、Google Business Profileの基本的な機能を丁寧に、そして継続的に活用すること が、インバウンド集客にどれだけ効果的であるかを示しています。

特に、

  • 外国人旅行者が求める「属性」情報を正確に伝えること
  • 視覚的に訴える高品質な写真・動画を豊富に掲載すること
  • お客様からのレビューに多言語で真摯に対応すること

これらが、信頼性を高め、「行ってみたい」という気持ちを醸成するために非常に重要です。

あなたの飲食店も、この事例を参考に、まずはGoogle Business Profileを徹底的に活用することからインバウンド集客の第一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。地道な努力が、必ず成果に繋がるはずです。