インバウンド観光客に選ばれるために!InstagramとFacebookのアカウント登録・設定を始めよう
Googleマップであなたの飲食店を見つけてくれた旅行者は、次にSNSで「どんなお店なのかな?」「写真で雰囲気を見てみたい!」と思います。特にInstagramとFacebookは、世界中の人々が旅行先の飲食店を探す際によく利用するツールです。
前回の記事では「Googleマップ登録とSNSアカウント開設」を重要・すぐできる対策の2番目に挙げました。今回は、このSNSアカウント開設、特にInstagramとFacebookのビジネスアカウントの登録・設定方法を、初心者の方でも迷わないように、手順を追って詳しく解説します。
インバウンド集客に向けたSNS活用の第一歩を、ここから踏み出しましょう!
5.Instagramの登録方法
Instagramは、視覚的な情報(写真・動画)が中心のSNSです。美味しそうな料理やお店の雰囲気を直感的に伝えるのに最適で、特に若い世代や旅行者に人気があります。
Instagram ビジネスアカウント登録・設定のステップ
※既に個人のInstagramアカウントをお持ちの場合と、新規で作成する場合で少し手順が異なります。ここでは、新規でアカウントを作成し、ビジネスアカウントに設定する手順を説明します。既にお持ちの場合は「ビジネスアカウントへの切り替え」から始めてください。
ステップ 1:Instagramアプリをダウンロードし、新規アカウントを作成
- スマートフォンにInstagramアプリをダウンロードします。(App StoreまたはGoogle Playストアから)
- アプリを開き、「新しいアカウントを作成」をタップします。
- 電話番号またはメールアドレスで登録します。登録した連絡先に確認コードが送られてくるので入力します。
- 名前(お店の名前)とパスワードを設定します。
- ユーザーネーム(アカウントID)を設定します。お店の名前や分かりやすいIDにしましょう。後から変更も可能ですが、覚えやすいものがおすすめです。
ステップ 2:プロフィール情報を入力する
- 生年月日を入力します。
- Facebookと連携するか聞かれますが、ここではスキップしても大丈夫です(後から設定可能)。
- プロフィール写真を追加します。お店のロゴや看板メニューなど、あなたのお店を代表する写真を選びましょう。
- 自己紹介文(プロフィール)を入力します。後から編集できるので、ここでは簡単にビジネスアカウントに設定後に詳しく入力します。
- 知り合いを探す画面はスキップして大丈夫です。
ステップ 3:ビジネスアカウントへの切り替え
- アカウント作成が完了したら、作成したアカウントをビジネスアカウントに切り替えます。
- プロフィール画面右上の三本線をタップし、「設定とプライバシー」を選択します。
- 下の方にスクロールし、「アカウントの種類とツール」をタップします。
- 「プロフェッショナルアカウントに切り替える」をタップします。
- 「ビジネス」を選択し、「次へ」をタップします。
- あなたのビジネスに最も合うカテゴリを選択します。(例: レストラン、カフェなど)。最大3つまで選択できます。プロフィールにカテゴリを表示するかどうかも選択できます。
- 「次へ」をタップし、ビジネス用の連絡先情報(電話番号、メールアドレス、住所)を確認または編集します。旅行者からの問い合わせに利用される情報なので、正確に入力しましょう。
- Facebookページと連携するか聞かれます。(後からでも連携できますが、連携しておくと両方一括管理しやすくなります)。既存のFacebookページを選ぶか、新しいページを作成するかを選びます。連携しない場合は「スキップ」をタップします。
- プロフィールの設定は完了です。「プロフィールをシェア」の画面が表示されますが、ここでは完了です。
ステップ 4:プロフィールをインバウンド向けに最適化する
- ビジネスアカウントへの切り替えが完了したら、改めてプロフィール情報を充実させ、インバウンド向けに分かりやすく設定します。
- プロフィール写真: 高品質なお店のロゴや看板料理の写真になっているか確認。
- 自己紹介文:
- お店のコンセプトや提供している料理のジャンルを簡潔に書きます。(例: 「創業〇〇年の老舗寿司店」「京都の隠れ家カフェで抹茶スイーツを」など)
- 営業時間、定休日、場所(最寄り駅など)を分かりやすく記載します。
- 多言語対応: 自己紹介文は日本語だけでなく、英語も併記しましょう。翻訳ツールも活用しながら、簡潔で伝わりやすい文章を作成します。
- 外部サイトへのリンク: ウェブサイト、多言語対応のオンライン予約サイト、オンラインメニュー(QRコードへのリンクなど)のURLをプロフィール欄のウェブサイト項目に追加します。(設定できるリンクは基本的に一つですが、Linktreeなどのツールを使えば複数のリンクを表示できます。)
- 連絡先オプション: メールアドレス、電話番号、場所(道順)などが正しく表示されているか確認します。
ステップ 5:ハイライトを設定する【重要情報の整理】
- ストーリーズ投稿をプロフィール画面に固定表示できる機能です。インバウンド旅行者が特に知りたい情報を整理しておくと非常に便利です。
- 具体的にすること:
- メニュー(写真と簡単な説明、価格帯)、アクセス方法(写真付きの道順)、お店の雰囲気、お客様の声、よくある質問(Wi-Fiの有無、予約方法など)といったカテゴリごとにストーリーズを作成し、ハイライトとして保存します。
- 各ハイライトのカバー写真やタイトルを分かりやすく設定します。多言語でタイトルをつけるのも有効です。
これで、Instagramのビジネスアカウントの基本的な設定は完了です。次は、魅力的な写真や動画を投稿し、多言語ハッシュタグを活用するなど、情報発信を始める段階に移ります。(これは前回の記事でご紹介したステップに進みます)
6.Facebookの登録方法
Facebookは、比較的幅広い年齢層に利用されており、写真だけでなく長文での情報発信やイベント告知にも向いています。Facebookページを通じて、お店のファンとのコミュニティを構築することも可能です。
Facebookページ作成・設定のステップ
※Facebookでビジネス情報の発信をするには、「個人用アカウント」でログインした後に「Facebookページ」を作成・管理する形になります。まだFacebookの個人用アカウントをお持ちでない場合は、まず個人用アカウントを作成してください。
ステップ 1:Facebookにログインし、Facebookページを作成する
- Facebookに個人用アカウントでログインします。
- 画面右上(または左側メニュー)にある「メニュー」アイコンをタップ(またはクリック)します。
- 「ページ」を選択し、「+ 新しいページを作成」をタップ(またはクリック)します。
ステップ 2:ページの基本情報を入力する
- 画面の指示に従って、Facebookページの基本情報を入力します。
- ページ名: あなたの飲食店の正式名称を入力します。
- カテゴリ: あなたのビジネスに最も合うカテゴリを選択します。(例: レストラン, カフェ, 和食店など)。入力すると候補が表示されるので選びましょう。
- 自己紹介: お店のコンセプトや提供している料理について簡単に説明します。ここも多言語(日本語+英語)で記載すると良いでしょう。
ステップ 3:詳細情報と写真を設定する
- ページ作成後、さらに詳細な情報を設定していきます。
- 連絡先: ウェブサイト、電話番号、メールアドレスを正確に入力します。
- 所在地: 住所、郵便番号を入力します。必要に応じて地図情報も確認・調整します。
- 営業時間: 正確な営業時間を設定します。特別な休業日なども設定できます。
- プロフィール写真: お店のロゴや看板料理など、分かりやすい写真を選びます。
- カバー写真: ページのトップに表示される大きな写真です。お店の外観、内観、集合写真など、お店の雰囲気が伝わる魅力的な写真を選びましょう。
- ボタンの設定: ページ上部に表示されるボタンを設定します。(例: 「予約する」「問い合わせる」「ウェブサイトを見る」など)。インバウンド集客の場合は、「予約する」や「ウェブサイトを見る」(多言語対応のウェブサイトや予約サイトにリンク)が非常に有効です。
ステップ 4:ページ情報を多言語で充実させる
- Facebookページは、様々な言語で情報を提供する設定が可能です。
- ページの情報欄(「基本データと詳細」など)を編集する際に、項目ごとに日本語で入力した後に、別の言語(英語など)を追加して入力できます。
- お店の説明、メニュー情報、ストーリーなどを多言語で登録しておくと、様々な国からの旅行者に正確な情報を届けられます。
ステップ 5:公開設定を確認し、ページを公開
- これまでの設定が完了したら、ページが正しく表示されるか確認し、公開設定を「オン」にします。
- これで、あなたの飲食店のFacebookページが一般に公開され、世界中のFacebookユーザーに見つけてもらえるようになります。
これで、Facebookページの基本的な作成・設定は完了です。今後は、定期的な投稿やイベント告知、お客様とのコミュニケーションなど、積極的な情報発信と運用を行っていくことになります。
7.最後に、「成功事例」書いて下さい。
ここでは、InstagramとFacebookを連携させ、インバウンド集客に成功した飲食店の事例をご紹介します。(※具体的な企業名ではなく、取り組み内容と効果に焦点を当てて記述します。)
事例:大阪にあるフォトジェニックな抹茶スイーツ店「心斎橋抹茶庵」(仮称)
この抹茶スイーツ店は、地元の日本人客には人気がありましたが、増加するインバウンド観光客へのアピールが課題でした。「日本の伝統的な抹茶文化」と「現代的なSNS映えスイーツ」を融合させたコンセプトを、より多くの海外旅行者に届けたいと考え、InstagramとFacebookを活用したインバウンド対策を強化しました。
取り組んだこと:
- コンセプトに合ったビジュアル戦略(Instagram中心):
- 抹茶の色鮮やかさ、スイーツの美しい盛り付け、和モダンな店内の雰囲気を強調した、プロ並みの高品質な写真を毎日数枚投稿しました。
- スイーツができるまでの短い動画(リール)や、お客様が楽しそうに写真を撮っているストーリーズを頻繁に投稿。流行のBGMや日本の伝統音楽などを効果的に使用しました。
- ハッシュタグは #matcha #matchasweets #osakacafe #shinsaibashi #japansweets #visitjapan など、ターゲット層が検索しそうな多言語ハッシュタグを厳選して使用しました。
- ストーリーテリングと詳細情報の発信(Facebook中心):
- Facebookページでは、抹茶の産地へのこだわり、季節限定メニューに込めた想い、スタッフの紹介など、お店のストーリーを長めの投稿で丁寧に発信しました。投稿文は日本語と英語を併記しました。
- 営業時間、予約方法、メニュー(写真付き)、アクセス方法など、旅行者が知りたい詳細情報をFacebookページに分かりやすく掲載しました。
- SNS連携と多言語対応の徹底:
- Instagramのプロフィール欄に、Facebookページと多言語対応オンライン予約サイトへのリンクを設置しました。
- FacebookページにもInstagramへのリンクを設置し、相互に誘導。
- 投稿文やコメントへの返信は、可能な限り多言語(英語、一部中国語)で行いました。Google翻訳ツールも積極的に活用しました。
- お客様との積極的なコミュニケーションとUGC活用:
- お客様が投稿した写真やストーリーを日々チェックし、「いいね!」や感謝のコメントを多言語で送りました。
- 許可を得て、魅力的で拡散力のあるお客様の投稿をリポストしました。お客様に特定ハッシュタグをつけて投稿してもらうキャンペーンも実施しました。
結果:
このSNS活用強化により、InstagramとFacebookの海外からのフォロワー数が急増しました。特に、Instagramのリール動画は多くの海外ユーザーに視聴され、バイラル効果で認知度が飛躍的に向上しました。
「SNSで写真を見て来ました!」という海外からの来店客が激増し、行列ができるほどの人気店になりました。オンライン予約サイトからの予約もインバウンド比率が高まりました。
海外の旅行系メディアやインフルエンサーからの取材依頼も舞い込むようになり、さらなる露出に繋がっています。
この事例から学ぶこと:
「心斎橋抹茶庵」の事例は、「視覚的に魅力的なコンテンツ」をInstagramで広く発信し、「お店のこだわりや詳細情報、信頼性」をFacebookで丁寧に伝える という、両SNSの特性を活かした連携戦略がインバウンド集客に非常に有効であることを示しています。
そして、
- ターゲット層に響くコンテンツ(この場合は「日本の伝統文化」と「SNS映え」)を明確にすること
- 多言語対応を徹底し、情報収集のストレスをなくすこと
- お客様とのコミュニケーションを大切にし、UGCを促進すること
- オンライン予約など、SNSからの導線をスムーズにすること
これらの要素が組み合わさることで、大きな成果に繋がる可能性を秘めていると言えます。
あなたの飲食店も、自店の強みやターゲット層に合わせて、InstagramとFacebookを効果的に活用することで、海外からの新しいお客様との出会いを増やしていけるはずです。まずはアカウントを登録し、できることから情報発信を始めてみましょう!